皆さん、こんにちは!
「防御率は良いのに、なぜか毎回ランナーを背負ってハラハラする投手」 「逆に、防御率はそこそこでも、なぜか安心して見ていられる投手」
こんな風に感じたことはありませんか? その「ハラハラ感」や「安心感」の正体を、数字でくっきりと示してくれるのが、今回ご紹介する『WHIP(ウィップ)』という指標です。
1. そもそも『WHIP』って何?
WHIPとは、“Walks plus Hits per Inning Pitched” の略です。 日本語にすると「1イニングあたりに、ヒットと四球で何人のランナーを出したか」という意味になります。
つまり、WHIPの数字を見れば、その投手がどれだけ安定してイニングを抑えているかが一目でわかるのです。
- WHIPが低い → 無駄なランナーを出さない、安定感抜群の投手
- WHIPが高い → 毎回のようにランナーを出してピンチを招く、劇場型の投手
このように、投手の「安定感」を測るのに、これ以上ないほど分かりやすい指標と言えるでしょう。
2. 計算方法は驚くほどシンプル!
WARのように複雑な計算は一切ありません。WHIPの計算方法は、非常にシンプルです。
WHIP=(被安打+与四球)÷投球回
ヒットで出されたランナーと、四球(フォアボール)で歩かせたランナーの合計を、投げたイニング数で割るだけ。とても簡単ですよね。
※死球(デッドボール)やエラーでの出塁は、計算に含まれません。
例えば、ある投手が6イニングを投げて、ヒットを4本、四球を2個出したとします。 その場合のWHIPは…
(4 + 2) ÷ 6 = 1.00
となり、「この投手は、1イニングあたり平均して1人のランナーを出しているんだな」ということが分かります。
3. WHIPの「評価基準」を知ろう!
では、WHIPの数字がどれくらいだと「すごい投手」なのでしょうか? 一般的な評価の目安は、以下の通りです。
- WHIP 1.00未満:球界を代表する、超一流のエース
- WHIP 1.10台:チームのエース級
- WHIP 1.20台:非常に優秀な先発投手
- WHIP 1.30台:平均的な投手
- WHIP 1.40以上:課題あり
この基準を知っていると、例えばWHIPが「1.05」の投手がどれだけ傑出した安定感を誇るかが、具体的にイメージできますね。
4. 防御率(ERA)と一緒に見ると、もっと面白い!
WHIPは、防御率(ERA)と一緒に見ることで、その真価を発揮します。
- ケースA:防御率は良いが、WHIPは高い投手
- 特徴: よくランナーは出すが、粘り強く、得点だけは許さない「ピンチに強いタイプ」。しかし、常に綱渡りの投球なので、いつか大量失点するリスクも抱えている。
- ケースB:防御率はそこそこだが、WHIPは低い投手
- 特徴: 普段は全くランナーを出さない安定感抜群の投手。ただ、一発病(ホームランを打たれやすい)の傾向があり、失点する時は一気に点を取られてしまうタイプ。
このように、2つの指標を組み合わせることで、「なぜその防御率になっているのか?」という投球の
内容まで深く分析できるのです。
まとめ
WHIPは、計算がシンプルで、投手の「安定感」という非常に分かりやすい側面を評価してくれる、とても便利な指標です。
これからは、防御率や勝利数だけでなく、ぜひWHIPの数値にも注目してみてください。どの投手が本当に安心して見ていられる「安定感の塊」なのかが分かり、あなたの投手を見る目が一段とレベルアップするはずです!
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