皆さん、こんにちは!
MLBのトレードのニュースを見ていると、「〇〇球団は、見返りに有望なプロスペクト3人を獲得」といった言葉をよく目にしませんか?
この「プロスペクト」こそが、MLBの未来を動かす、非常に重要な存在です。今回は、未来のスーパースター候補である彼らと、彼らが育つ「ファームシステム」について、分かりやすく解説していきます!
1. 「プロスペクト」とは?
プロスペクト(Prospect)とは、英語で「見込み」や「有望」といった意味で、MLBでは「将来の活躍が期待される若手有望株選手」のことを指します。
彼らの多くは、ドラフトで指名されたばかりの10代の選手や、ドミニカ共和国などの中南米から青田買いされた才能の原石たちです。まだメジャーリーグ(1軍)でプレーはしていませんが、そのポテンシャルは高く評価されています。
▼ なぜプロスペクトが重要なのか?
MLBでは、FAでスター選手を獲得するには莫大な資金が必要です。そのため、多くの球団は自前でスター選手を育てることに力を入れています。プロスペクトは、まさにその「未来のスター候補」。彼らが順調に育てば、チームは低コストで強力な戦力を手に入れることができます。
また、トレードの際には、プロスペクトが最も価値のある「交換要員(駒)」となります。有力なプロスペクトを多く抱えている球団ほど、トレード市場で有利に立ち、即戦力のスター選手を獲得しやすくなるのです。
※そもそも、MLBの「トレード」ってどんな仕組みなの?と疑問に思った方は、ぜひこちらの記事も合わせて読んでみてください。
2. プロスペクトを育てる「ファームシステム」とは?
日本のプロ野球(NPB)では、1軍の下は2軍(球団によっては3軍)というシンプルな構成ですよね。 しかし、MLBの育成組織(ファーム)は、複数の階層に分かれた巨大なピラミッド構造になっています。これを「ファームシステム」と呼びます。
メジャーリーグ (MLB)
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AAA (トリプルA) (各球団に1チーム)
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AA (ダブルA) (各球団に1チーム)
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High-A (ハイA) (各球団に1チーム)
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Single-A (シングルA) (各球団に1チーム)
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Rookie (ルーキーリーグ) (各球団に複数チーム)
▼ 各階層の役割
- AAA(トリプルA):メジャーのすぐ下に位置する最上位リーグ。メジャーから降格してきたベテランや、昇格間近のトッププロスペクトが集まります。
- AA(ダブルA):多くの専門家が「本物のプロスペクトを見極める場所」と呼ぶ、最も重要な階層。ここで結果を残せるかどうかが、メジャー昇格への大きな関門となります。
- A(シングルA / ハイA):ドラフト入団から数年の、まだ若い選手たちがしのぎを削る場所です。
- Rookie(ルーキーリーグ):ドラフトされたばかりの新人や、海外から来たばかりの10代の選手たちが、プロとしてのキャリアをスタートさせる場所です。
選手たちは、このピラミッドを一段ずつ這い上がり、ほんの一握りの選手だけがメジャーリーグという夢の舞台にたどり着けるのです。
3. 「プロスペクト・ランキング」で未来のスターを探そう!
MLBでは、専門家たちが全球団のプロスペクトを評価し、「プロスペクト・ランキング トップ100」として毎年発表しています。
このランキングの上位に名を連ねる選手は、数年後にはメジャーリーグを代表するスーパースターになる可能性を秘めた、まさに「金の卵」です。
例えば、現在のオリオールズを牽引するアドリー・ラッチマンやガナー・ヘンダーソン、ジャクソン・ホリデイといった選手たちは、全員がこのランキングでトップクラスの評価を受けていました。
「自分の応援するチームのランキングには、どんな未来のスターがいるんだろう?」 「トレードで放出したプロスペクトは、どれくらいすごい選手だったんだろう?」
そんな視点でこのランキングを眺めてみると、各チームの未来の姿が想像でき、MLB観戦がさらに面白くなりますよ。
まとめ
「プロスペクト」と、彼らが育つ「ファームシステム」は、MLBの強さの根幹を支える、非常に重要な仕組みです。
トレードのニュースが出た際には、交換されるプロスペクトの名前を少し調べてみてください。その選手の評価を知ることで、トレードの本当の価値が見えてきて、各チームのGMが繰り広げる壮大な戦略の一端に触れることができるはずです。
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