皆さん、こんにちは!
MLBの試合を見ていると、先発投手の登板間隔が日本より短かったり、リリーフ投手が連日登板したりする場面を目にしますよね。
- 「中〇日(なか~にち)」:先発投手が、次の登板までに何日間休むか。
- 「連投(れんとう)」:投手が、2日以上続けて試合に登板すること。
これらの投手起用は、選手のコンディションやチーム戦略に直結する、非常に重要な要素です。今回は、MLBにおけるこれらの基本的な考え方を、日本のプロ野球(NPB)との比較も交えながら解説していきます。
1. 先発投手の基本:「中4日」ローテーション
まず、先発投手の登板間隔「中〇日」についてです。
- MLB:「中4日」 現代のMLBでは、5人の先発投手を用意し、それぞれが「中4日」(登板→4日間休み→登板)の間隔で順番に投げるのが最も一般的です。これは「5人ローテーション」と呼ばれます。 1試合で約100球前後を投げる先発投手が、肩や肘を十分に回復させ、次の登板に備えるために必要とされる、標準的な休養期間と考えられています。
- 日本:「中6日」 一方、日本のプロ野球(NPB)では、6人の先発投手で「中6日」(登板→6日間休み→登板)のローテーションを組むのが主流です。 単純に比較すると、MLBの先発投手は、NPBの投手よりも短い間隔で、多くの試合に登板していることになります。これは、MLBのシーズン試合数が多いこと(162試合 vs NPBの143試合)や、移動距離の長さなども影響しています。
- 例外的なケース:「中5日」など もちろん、常に中4日というわけではありません。若手投手の負担を軽減したり、連戦が続く過密日程の場合などには、一時的に6人目の先発投手を起用し、「中5日」の間隔を設けることもあります。
2. リリーフ投手の宿命:「連投」の考え方
次に、主に短いイニングを全力で投げるリリーフ投手の「連投」についてです。
- MLBでの「連投」 1イニング程度の短い登板であれば、「2連投」(2日連続の登板)は比較的よく見られます。試合展開によっては、僅差の場面で最も信頼できるリリーフ投手が連日起用されることは珍しくありません。
- 「3連投」は避ける傾向 しかし、「3連投」(3日連続の登板)となると、話は別です。投手の肩や肘への負担が急激に増大し、怪我のリスクが飛躍的に高まるため、レギュラーシーズンでは極力避けられるのが一般的です。監督や投手コーチは、選手の健康状態を最優先に考え、無理な連投をさせないように細心の注意を払っています。 もし3連投が必要になるような場面が続いた場合は、その投手に数日間の完全休養を与えるか、一時的にマイナーリーグに降格させて登板機会を制限するなどの措置が取られることもあります。
3. なぜ登板間隔の管理が重要なのか?
投手、特に多くの球数を投げる先発投手にとって、適切な休養はなぜこれほど重要なのでしょうか。
- パフォーマンスの維持: 十分な休息がないと、球速の低下、変化球のキレの悪化、コントロールの乱れなどに繋がり、投手本来のパフォーマンスを発揮できません。
- 怪我の予防: これが最も重要です。疲労が蓄積した状態での投球は、肩や肘の靭帯などに大きなストレスを与え、トミー・ジョン手術が必要になるような大怪我に繋がるリスクを高めます。
- 長いシーズンを戦い抜くため: 162試合という長丁場のシーズンを乗り切るためには、目先の1勝だけでなく、シーズンを通して投手が健康に投げ続けられるような、計画的な管理が不可欠なのです。
まとめ
MLBにおける「中4日」や「連投」の考え方は、日本のプロ野球とは異なる部分もありますが、その根底にあるのは「投手の健康を守りながら、チームの勝利確率を最大化する」という、共通の目標です。
試合を観戦する際に、先発投手の登板間隔や、リリーフ投手が何連投目なのかといった情報に少し注目してみると、監督の采配の意図や、投手のコンディションが透けて見えてきて、より深くゲームを楽しむことができるはずですよ。

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