たった9球の芸術「イマキュレートイニング」とは?

初心者ガイド

皆さん、こんにちは!

野球には「完全試合」という投手の最高栄誉がありますが、それとは別に、「1イニングだけを切り取った、究極の完璧さ」を示す、非常に珍しい記録があるのをご存知でしょうか?

それが、今回ご紹介する「イマキュレートイニング」です。

1. 「イマキュレートイニング」の定義とは?

イマキュレートイニングの定義は、驚くほどシンプルかつ厳格です。

「1つのイニングを、たった9球で、3者連続三振に抑えること」

これだけです。詳しく見てみましょう。

  • 打者1人目: 3球三振(見逃し、空振り、ファウルは問わない)
  • 打者2人目: 3球三振
  • 打者3人目: 3球三振

つまり、9球投げて、その9球全てがストライク(バットに当てられた場合はファウル)となり、相手打者に一度もバットを前に飛ばさせることなくイニングを終える必要があります。

「Immaculate」という単語は、「汚れのない、完璧な」といった意味を持ちます。まさに、1球の無駄もない、投球における完璧な芸術と言えるでしょう。

2. どれくらい珍しい記録なの?

完全試合ほどではありませんが、イマキュレートイニングも非常に珍しい記録です。

  • 完全試合: MLBの長い歴史で、わずか24回
  • イマキュレートイニング: 2024年シーズン終了時点で、117回

ノーヒットノーラン(約320回)よりはるかに少なく、1シーズンに平均して3〜5回程度しか記録されません。多くの名投手たちが、その長いキャリアで一度も達成できずに引退していきます。

面白いのは、必ずしもその時代の最強投手が達成するとは限らない点です。もちろん、サイ・ヤング賞投手が達成することもありますが、時には若手投手や、普段はあまり注目されないリリーフ投手が突如としてこの偉業を達成することもあり、それがまた野球の面白さでもあります。

3. 記録に名を刻む、伝説の投手たち

この珍しい記録を複数回達成した、伝説的な投手も存在します。

サンディ・コーファックス(元ドジャース)

達成回数:3回 MLB史上最高の左腕投手の一人として知られるコーファックスは、キャリアで3度もこの偉業を達成しています。特に、1964年に達成したイマキュレートイニングは、ワールドシリーズという大舞台でのものでした。

マックス・シャーザー(現ブルージェイズ)

達成回数:3回 現役投手でありながら、すでに殿堂入りが確実視されている「生ける伝説」シャーザーも、3度のイマキュ-レートイニングを記録しています。異なるチームで何度も達成している点に、彼の驚異的な能力の高さが表れています。

まとめ

イマキュレートイニングは、試合の勝敗に直接大きく影響するわけではないかもしれません。しかし、それは投手がその瞬間、マウンド上で絶対的な支配者であったことの証明です。

たった9球の間に凝縮された、投球という芸術の極致。 次にこの「9球の奇跡」が生まれるのはいつなのか、楽しみにしながら日々の試合を観戦するのも、MLBの新しい楽しみ方の一つかもしれませんね。

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